MEMORANDUM

  神奈川県の市民憲章

◆ 神奈川県藤沢市で「藤沢市市民憲章」を見た。昭和39年7月1日制定だそうで、これはワタシの生まれた年だ。なんの関係もないが、ちょっとうれしい。

1.元気で働き、明るい家庭をつくりましょう。
1.つねに健康な心とからだをきたえましょう。
1.いつもだれにも親切にしましょう。
1.きまりをまもり良い風習をそだてましょう。
1.教養を深め、文化の高いまちをきずきましょう。

◆ とあるが、本文はどうでもいい。「市民憲章」でいちばんの(ただひとつの)楽しみである前文がここに記されていないのが残念。もしかしたら、裏に書いてあったのかもしれない。藤沢市ホームページで確認すると、

◇ わたくしたち藤沢市民は、藤沢市を豊かな明るい美しい産業、文化、観光都市とするために、市民ひとりひとりが守るべき規範として、ここに市民憲章を定めます。

◆ ああ、がっかり。つまらない。藤沢ならでは、という語句がひとつもない。藤沢くらいの都市なら、誇るべきものが具体的にたくさんあるだろうに。以前「北海道の市民憲章」の前文を一部列挙してみたことがあったが、今回は神奈川の市民憲章をちょっと見てみよう。ところが……、横浜市、川崎市、いずれも「未制定」。さらに逗子市、三浦市も「未制定」。市民憲章を制定しているところでも、藤沢市式の具体性に欠ける文言しかない前文をもつ都市が多くて、あまりおもしろくない。以下の「○○○市」はさてどこだろう?

◇ 私たち○○○市民は、めぐまれた自然と、文化や伝統を誇りとし、明るい街づくりのために、すべての英知をそそぐことを誓って、この憲章を定めます。

◇ わたくしたちは、伝統に輝く○○○市民である誇りと、責任をもってこの憲章を守りましょう。

◇ 自然と人間との健全な調和のとれた○○○市の輝かしい未来を目ざして、わたくしたちは、○○○市民としての自覚と誇りをもって、市民ひとりひとりのしあわせを願いながら、ここに市民憲章を定めます。

◇ わたくしたち○○○市民は、恵まれた郷土の自然を生かし、先人の偉業を受けついで、このまちが緑豊かな明るく住みよい産業文化都市として、限りなく発展することを願い、市民としての誇りと自覚をもって、ここに市民憲章を定めます。

◆ 上から、座間市、伊勢原市、大和市、南足柄市のものであるが、順番を変えてもなんの支障もなさそうだ。さらに、以下の「○○○市」はどこだろう?

◇ 私たちの○○○は、海と緑に恵まれた自然と世界に開かれた交流の歴史のもとで、魅力ある都市をめざし、常に新しいまちづくりに挑戦する気概を身につけてきました。

◇ わたくしたち○○○市民は、丹沢の美しい自然のもとで、このまちの限りない発展に願いをこめ、ここに市民憲章を定めます。

◇ ○○○は、海と山の美しい自然環境とゆたかな歴史的遺産をもつ古都であり、わたくしたち市民のふるさとです。

◆ 上から、横須賀市、秦野市、鎌倉市。これらは「丹沢」「古都」など多少のヒントもあるので、わかるひともいるかもしれない。それでも、横須賀市と鎌倉市は「世界に開かれた交流の歴史」「ゆたかな歴史的遺産をもつ古都」以外の書きようがあるのではないか。「黒船」とか「大仏」とか。まあ、観光ガイドではないからしようがないけど、ワタシはやっぱりこんなのが好きだ。

◇ わたくしたちは、黒潮おどる相模灘にのぞみ、梅の香におう天守閣をあおぐ「○○○」の市民です。

◆ すぐにわかるよね? そうでもない? そう、これは小田原市。

関連記事:

このページの URL : 
Trackback URL : 

POST A COMMENT




ログイン情報を記憶しますか?

(スタイル用のHTMLタグが使えます)